2013年10月26日土曜日

市場展望 10月26日の日経新聞朝刊から

 株価指数先物の売りで相場が下がりやすくなっている。25日は午後に先物のまとまった売りが出て、裁定取引によって積み上がっていた現物株の買い持ち高を減らす売りが拡大、日経平均株価の下げ幅は400円近くに達した。4~9月期の決算発表を見極めたい投資家の買い手控えムードは強く、現物株の売買は低水準が続く。このため裁定取引に伴う売り圧力が吸収されにくく、相場の不安感が強まっている。
 
下値余地、限定的との見方
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 先物売りで相場が下がるのは、先物との価格差に着目して買われた現物株にも売り物が及ぶためだ。株高局面では先行してあげて割高になった先物を売り、割安になった現物株を買う裁定取引が行われる。その後、先物が下落して現物株の割高感が増すと、裁定取引で買った現物株には利益確定の売りが出る。
前週末18日時点の裁定取引に伴う現物株の買い残は36000億円強と、5月下旬以降の高水準。米財政問題の懸念が遠のき、投資家心理が改善した10月中旬以降、株数ベースの買い残は連日増え、裁定解消売り圧力は高まっていた。
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上場企業の4~9月期決算の発表が本格化する前で個別株の積極的な売買が手控えられていることも、裁定解消売りの影響を大きくしている。
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 もっとも、株価の大幅な底割れを警戒する声は少ない。海外市場と比べ、株価指標面の割高感は乏しいためだ。日経平均の今期の予想PERは、アナリスト予想平均を基準に計算すると25日時点で14倍台半ば。16倍台の米国を下まわり、15倍前後の独仏と肩を並べる水準にある。
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