中国の動き(あちらこちらのお話をまとめてみました)
中国国内での不動産投資は、日本で報道されているように、過熱状態である。その状態を見ていると日本のバブル時よりひどい状況に見える。当局はその不動産投資を規制しようとして、銀行への管理を強化している。しかし、銀行の不動産投資は規制できても、企業による投資は規制できないのが現状である。実際に企業が銀行から金を借り、不動産投資をする(銀行が仲介する形)、あるいは、投信あるいは証券の形のようにして、一般の人から資金を集め、それを不動産投資している。それがシャドーバンキングである。必ずしも中国特有のものでなく、日本のバブル期のノンバンクや保険会社、韓国での不動産投資、そして米リーマン・サブプライムなど、世界中で行われてきた。
中国政府は規制を強化し、不動産価格を抑えようとして、資金供給を絞っていることから、中堅銀行が資金繰りに困り逼迫し、短期資金に殺到したとみられ、先週21日、短期金利が急上昇した。特に、地方銀行では、かなりの不良債権を持っていると見られ、銀行間でも資金を貸さない状況になっており、金利上昇になったという。中堅銀行は、厳しい状態にある。企業の不動産投資はさらに厳しく、不良債権が大量に発生する可能性があると見られている。それに対して、当局は、あえて手を打とうとしない。つまり、不動産などに投資をしている企業が行き詰ることを容認しており、淘汰しようとしていると見られている。それにより、不動産への異常な投資と不動産価格を抑えようとしているという。上海市場の下落の原因と言われている。今日、短期金利が下落したが、上海株は下げ止まらない。今日、中央銀行は、今日もオペレーションを実施しないと発表した。金融引き締めを続ける姿勢を示している。この動きは、突然始まったわけではなく、表面化してきただけ、もし、もう一段金利が跳ね上がれば、さらに売られるだろうとアナリストが話している。
S氏は、この動きに対し、今まで、日本株は下げ、ヨーロッパは落ち着いており、アメリカは下げそうで下げないので、次の狙いは上海という。
現在、中国での景気減速が懸念されて、株の減速が見え始めたことから、中国では、金への投資が増えており、先週、金ショップへ人々が殺到したニュースが駆け回った。一方、中国マネーが、日本の不動産への投資が増えているという。アベノミクスにより、都市部のマンション、オフィッス価格が上奏すると見ており、かなりのアジア資金が流れ込んでいると見られる。中国の締め付けが続けば、日本へ資金がどうなるか(増えるのかどうか)注視が必要であると思われる。
M氏は、中国の不動産による金融の動きは世界への影響は限定的という。中国の体制から、対応可能であろうと見ている。ただ、中国経済の減速の影響は受けるため、中国関連の企業は厳しいであろうとコメントしている。
参考
☆ ウォール・ストリート。ジャーナル6月21日経済 冒頭部分【北京】中国当局は同国の銀行をどれだけ懲らしめようとしているのだろうか。その答えは既に経済全体に表れている。短期金利の高さは、中国の金融システムの疲弊の程を示す。銀行間金利の指標である7日物レポ金利は20日の取引で25%に急騰する場面もあった。銀行は能力以上に貸し出しを膨らませ、資産の質を低下させた結果、日々の運転資金に詰まって短期金融市場を利用せざるを得なくなっている。
☆ ウォール・ストリート。ジャーナル6月21日経済
中国景気減速―政府は刺激策を取らない姿勢貫けるか
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324438704578558133110087370.html
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